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繋がる - 篠原由美恵

篠原由美恵

対馬市上県町目保呂ダム馬事公園・対州馬トレーナー

はじめまして。2010年4月から、対馬市上県町目保呂ダム馬事公園の対州馬トレーナーとして勤務しております篠原由美恵です。私がこの仕事を始める事になったきっかけは、同年3月に東京で行われた、乗馬指導員講習会で日本在来馬である対州馬の調教師を募集していると知ってからでした。対州馬が危機的状況にあり、そこに関わる仕事をしたいと思いながらも、勤務先は離島の対馬。東京で生まれ育ち、10数年千葉県で馬に携わる仕事をしてきた私にとって対馬は未知の島、一度見学に行くこととしましたがその間も迷いは尽きませんでした。しかし、実際に対馬に着き、対馬の人々や対州馬に関わる方々と出会い話をしていると、対馬の人の良さや対州馬への思いの強さを感じさせられ、本当に今、対州馬の調教師が必要であると分かりました。そして又、対州馬に会い実際に騎乗し、その賢さ、素直さ、従順さ、頑健さを実感し、こんなに良い馬達を絶やしてはならないと思い対馬行く決意をしました。
対州馬は日本在来馬8馬種のうちの1馬種、その歴史は古く、奈良時代(739年)の古文献への記載が確認されていることから、それ以前より対馬で飼育されていた事となります。対馬は約9割が山に覆われ、海岸線はリアス式海岸に囲まれた急斜形地、対州馬はそのような地形の交通手段として、また農耕、運搬などの役割を担い家族同然に扱われていました。しかし農業の機械化や車などの普及により徐々にその必要性が薄れ、明治時代には4000頭以上いた対州馬が、現在は28頭と激減しています。
現在対馬市では、目保呂ダム馬事公園での対州馬乗馬体験や、市内各種イベントへの積極的参加、小・中学校の遠足や総合学習の場としての使用や毎年10月に行われる初午祭“馬跳ばせ”(対州馬での競馬)などを始め、対州馬を活用すると共により多くの人々に対州馬を知り、親しんでもらえる場を設ける活動を行っています。また、種の保存の為の繁殖も進めており、今年度は島内外で6頭の増頭が見込まれています。
今後としては、保存、増頭、活用の計画をバランス良くとり、各方面へのPRを行い対州馬の知名度を上げ、愛馬心をもつ人々を増やし、対馬の宝としての存在価値を高めてく必要があると考えます。多くの方々と協力し合い、対州馬を愛する者の一人として対州馬の未来が明るくなるよう取り組んでいきたいと思います。

目保呂ダム馬事公園
対馬市上県町瀬田0920-85-1113

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