SATOYAMA BASKET - MISIA × 生物多様性 -


話す - COP10名誉大使MISIA、国連へ

COP10へ向けた
日本政府の記者会見
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9月20日からアメリカのNYは、ものものしい雰囲気になった。前の週まではNYFashion Weekとして街全体が華やかな雰囲気だったそうだが、この4日間はむしろ厳戒態勢になった、というほうが正しいだろう。パスがないと46th Street/2nd Aveのチェックポイントから先は進むことはできない。

理由はただひとつ。

国連総会が開催されたから。

国連総会といっても今年の国連総会は特別だ。
2000年のミレニアムサミットで採択されたミレニアム宣言をもとに生まれた、ミレニアム開発目標(MDGS)の掲げた2015年という期限まであと5年という区切りの年でもあることから、MDGsのレビューが3日間かけて行われる。
今年は140人の国家元首と政府首脳が出席し、MDGs達成のための進捗状況を振り返 り、現在直面している問題を分析し、具体的な戦略と行動を検討し、2015年までに8つの目標を実現させるよう話し合っている。
そしてそのうち1日かけて話し合われるのが、生物多様性だ。
22日には生物多様性に関する特別セッションが丸一日かけて開催される。これは、国連史上初めてのことであり、2010年が国際生物多様性であることの表れでもある。

その前日にあたる21日、国連では生物多様性をアピールするための様々なイベントが企画された。今回MISIAがCOP10名誉大使として参加した記者会見もその一つだ。

この記者会見は生物多様性条約事務局および日本政府の主催で開催された。
冒頭で国連広報局スタッフより会の趣旨を説明されたのち、松本龍・環境大臣、岡田卓也・財団法人イオン環境財団理事長とともに壇上に登ってMISIAがメッセージを紹介した。

まず松本環境大臣からは、2010年が国際生物多様性年に当たり、重要な年であること、その2010年に日本の愛知県名古屋市でCOP10が開催される重要性が指摘された。
COP10は、2010年目標という、MDGsでも紹介されている「2010年までに生物多様性の現象の速度を減少させる」という目標の見直しと新たな目標の設定、ABS(Access and Benefit Sharing=遺伝資源の利用とその利用から生じる利益の公正かつ衡平な配分)の国際的なルール作りを目指すなど、さまざまな取り組みが求められる。

生物多様性が地球温暖化や環境変動に大きな影響があることから、生物多様性の重要性への関心が高まりつつあることを受け、松本環境大臣からは、明日の総会での特別セッションで、2011年から10年間を「生物多様性の10年」とする提案がなされることが発表された。

cmenu-37-p02.jpg 「歌」という文字が示すもの

次の発表者がMISIAだ。
緊張した面持ちながら、MISIAが流暢な英語で話す。

話す内容で、一番のメッセージは「歌」という漢字を用いた紹介だ。
書家・文字文化文筆家の宇佐美志都さんに書いていただいた「歌」の額縁を紹介しながら、その意味を会場の人々に紹介した。

漢字はもともとの意味をたどると、さまざまな意味が込められている。「歌」も同様だ。左側の「可」が並んだ文字にある「口」は、神への捧げものをいれた器を意味している。器に捧げながら、神に届くよう、木の枝でその枝を叩き、五穀豊穣を願う気持ちが、「可」に込められている。そしてその「可」の文字が二つ並ぶことで、より多くの人が豊穣を願う祈りの気持ちが表現されている。

右側の「欠」は人が口をあけて神に祈る、その声を上げているさまを意味している。「欠伸(あくび)」という言葉にもあるように、口をあけているさまが、この形のもともとの成り立ちだ。

この左側の部分と右側が組み合わさり、「歌」という文字が生まれた。

歌をみると、歌が、古代から神への祈りの意味であり、自然からの命の恵みへの感謝の気持ちを表していることに気づかされる。自然との共生を人間の声が伝えていること、昔からの思いが、MISIAのメッセージとして語られ、会場の人、そして壇上にいた人たちにも届けられた。

伝えることの重要性

その後イオン環境財団の岡田克也氏より財団の活動開始から20周年であり、国際生物多様性年にあたることを記念して、今年度よりMidoriPrizeを創設したこと、その第1回受賞者の発表が行われた。最後にジョグラフ生物多様性条約事務局長より挨拶がなされ、質疑応答に入り、終了となった。

記者会見終了後、作成された「歌」の額縁はMISIAからジョグラフ事務局長に手渡され、彼を通して、国連生物多様性条約事務局に寄贈されることとなった。

「歌」をジョグラフCBD事務局長へ寄贈 cmenu-37-p03.jpg

その後、お昼前に国連広報局長(事務次官)・赤坂清隆氏を訪問、現在までの活動を報告したほか、MDGsの進捗について、どうすべきか意見交換が行われた。赤坂局長からはメッセージを発信することの重要性と同時に、それをどう効果的により多くの人々に伝えるべきか、指摘された。

cmenu-37-p04.jpg 赤坂国連広報局長と

お昼を過ぎ、生物多様性条約事務局と国際的生物保護機関であるIUCN(国際自然保護連合)がフィンランド政府の協力で「ジェンダーと生物多様性」をテーマに開催したランチョン・ミーティングに出席し、開会時に挨拶を行った。

ジェンダーとMDGsに
関するランチ会合。
ジェンダーと貧困、
生物多様性の損失は深くつながっている
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夕方からは、生物多様性事務局と国際NGOのWCS(Wildlife Conservation Society)が共催で開いたレセプション。セントラルパーク内にある動物園でおこなわれる会場は、岩かと思うとアシカだったり、サルがいたりと楽しい驚きがたくさんある会場だった。

そして、この日の会場を一番沸かせたのは、二人の「生物多様性」に関する大使の対面。

cmenu-37-p06.jpg エドワート•ノートン氏と

生物多様性条約締約国会議に関する大使であるMISIA、そして生物多様性そのものの親善大使に任命されているハリウッドスター、エドワード・ノートンが、初めて顔を合わせ、声を交わした。

ノートン氏自身は以前より東アフリカでの保全活動に取り組んでいることもあり、活動に対する造詣が深い。この日のスピーチでも自分たちのライフスタイルを見直す必要があること、さらにconservationという言葉も、自然や動植物の状況をよくするために人間の生活の見直しの重要性が指摘された。

ノートン氏のスピーチでは、「初めに自分は専門家ではないが、このようなパーティなどの場で、声を上げることができる。」との言葉があった。これは意思を示すことの重要性を訴える大きな言葉だ。午前中の記者会見で、ジョグラフ生物多様性条約事務局から日本の取り組みの一つとして、日本航空(JAL)が生物多様性のロゴを掲出していることについて、会場にいたメディアから、その意義を問われる場面があった。

たしかにメッセージを伝えること自体は、緊急の支援に結び付けることは難しい。しかしノートンは声を上げる重要性を示唆するとともに、むやみに声を上げるのではなく、効果的に声を上げることについて言及している。

伝えることは難しい。難しい内容であればなおさらだ。
しかし大切なことは専門的な知識や、用語ではなく、人々の「心」に伝えるメッセージを届けるパワーだ。人に耳を傾かせる要素を持つことだ。
JALの機体にロゴを掲出するのも、広告と考えれば非常に大きな認知のための取り組みだと言える。

MISIAは、7月に全国5か所で開催された「星空のライヴVI ENCORE 2010 International Year of Biodiversity」を通じて、生物多様性をテーマとした曲「LIFE IN HARMONY」の制作に取り組んだ。アメリカの有名な音楽プロデューサー、デイヴィッド・フォスターによって制作された同国は、COP10スローガン「Life in harmony, into the future」からインスピレーションを受けたものだ。その曲はCOP10オフィシャルソングに認定され、今後会場や周辺視察などで紹介される予定である。

まずは何も知らない人にどう「生物多様性とは何か」伝えるのか。音楽や映像、写真などには言葉の壁は存在しない。あらゆる国の、性別や文化などを超え、あらゆる人々にどのように伝えるか、そのメッセージパワーこそ、今、求められている。

記者会見の様子は、UNWEBCASTでみることができます(言語:英語。PCのみ)是非ご覧ください。
MISIAのスピーチはmudef websiteで読めます(言語:英語)

Photo by Ayumi Sakamoto

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