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識る - マリモ

【学名】Cladophora aegagropila
【英名】Lake Ball
【分布】アフリカ東部(ケニア・タンザニア)北海道・本州中部以北、北半球の温帯から亜寒帯
【環境省レッドデータブック】絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)

 

マリモは北海道のおみやげ屋でよく目にしますが、実は絶滅危惧種に指定されています。絶滅危惧種なのに、おみやげとして売られていることに疑問を感じたので詳しく調べてみると、知っているようで知らなかったマリモの生態や現状を知ることができました。

 

マリモとは

私達が思い浮かべるマリモは丸い形のものだと思います。しかし、大きくて美しい球状を形成するのは北海道阿寒湖のものだけだそうです。マリモは丸い体1つが一個体だと思ってしまうかもしれませんが、その球状を形成している細い繊維が一個体です。つまりあの丸い塊は、糸状のマリモの集合体なのです。細い繊維は細胞が一列に並んだもので、岩などに付着せず枝分かれして生長していきます。

直径6cmの野球ボールほどの大きさになるのに150年から200年もかかり、生長にとても時間がかかります。大きいものは直径25cmにもなり、大型化すると内部に光が届かないため糸状態が枯れて、中は空洞になります。面白いですね。

 

減少の原因と保護活動

毎年100万人以上の観光客が集まる阿寒湖においては、温泉街の発展で湖水の水質が悪化したことや、土木作業の影響を受けたことによって、マリモの個体数は減少しました。また、阿寒湖のマリモは法律によって、許可なく移動したり持ち出したりすると罰せられますが、マリモが盗みとられる事件が発生するなどと言った盗採が問題となっています。

阿寒湖以外にも、下水、農牧業、工業排水などの影響によって、水中の肥料濃度が上昇する富栄養化が原因で減少している湖沼も多いそう。

阿寒湖の保護活動としては、マリモの盗採対策でマリモ監視人を配置したり、本来であれば自然現象である打ち上げられたマリモを、枯れて死んでしまうのを防ぐために沖合に異動させる作業をしたりと、地元の保護団体を中心に様々な活動が行われています。


 

お土産で売られているのは…?

では、冒頭でも触れたように、こんなにも保護活動をしているのにおみやげとして売られているのはなぜなのでしょうか。一般的におみやげ屋に並んでいるマリモは、自然に丸くなったマリモではありません。おみやげ用のマリモは阿寒湖のものではなく、釧路湿原国立公園内のシラルトロ湖のマリモで、糸状のマリモを人の手で丸めているものなのです。阿寒湖のマリモがおみやげになっていないとは言え、これもマリモ減少の原因の一端を担っている可能性もあります。

お土産等で売っているマリモが身近な私にとって、絶滅危惧種であるということは驚きでした。しかし北海道に限らず、マリモが生息する地元では、地域全体で保護活動が行われています。私達はマリモの現状を正しく理解していく必要があるのだと思います。

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