SATOYAMA BASKET - MISIA × 生物多様性 -


識る -サイガ-

【学名】saiga tatarica
【英名】saiga
【分布】ロシア、カザフスタン、モンゴル
【IUCNレッドリスト】絶滅危惧IA類

 

サイガとは?

大きな鼻が特徴であるウシ科の動物、サイガをご存じですか?

日本では見る機会がないのであまり知られていないかもしれません。
サイガは体長が約100~170cmで、主に草や木の葉を食べる草食動物です。
時速80km、高速道路の制限速度と同じくらい足が速いことも特徴です。チーターの最高時速が100km強であることを考えると、かなりの速さですね。

角は雄だけにあり、長さは約25~30cmほどになるそうです。大きな鼻は乾燥した空気に湿気を与え、冷たい空気を暖めてから肺に送るために、特徴的な形に発達しました。寒い地域で生き延びるための進化ですね。

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そんなサイガは、実は、過去に一度その数がぐっと増えたのですが、今再び絶滅の危機に瀕しています。

 

絶滅危惧の原因

サイガは以前から肉と皮、角は薬になるとして狙われ、20世紀初めには絶滅寸前の状態でした。そこで、保護に立ち上がったのが主な生息地である旧ソビエト連邦で、密猟が厳しく取り締まられるようになり、繁殖力の強いサイガは急増したのです。1958年には約200万頭にまで回復しました。

しかし、ソビエト連邦が1991年に崩壊すると、再びハンターの標的にされてしまいます。密猟や自然環境の破壊などにより、生息地全体における生息数が15年で約10万頭までに減ってしまいました。

 

保護活動

生息数の減少をきっかけに、さまざまな保護団体やNGOなどが保護活動に乗り出しました。

非公式団体の「サイガ保護同盟」は、旧ソビエトであるカザフスタンの首都アスタナを拠点に保護活動を行っている「カザフスタン生物多様性保全協会」と連携し、約90%のサイガが生息するカザフスタン国内でフランスの国土面積に匹敵する保護地域を設定するなどの活動を行っています。
こうした取り組みによって、カザフスタン国内では、数年前に2~3万頭だった生息数が10万頭に回復しました。順調に回復してきていると言えますが、現在でも密猟が絶えないのが現状です。

サイガは繁殖力の強い動物です。それにもかかわらず絶滅の危機に追い込んでしまった人間による密猟。絶滅してしまってからでは助ける術はありません。サイガの生息地域でも、生きものや環境に対する考え方が変わっていくことを願います。

 

 

文責:大妻女子大学 4年 望月鹿乃子

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