SATOYAMA BASKET - MISIA × 生物多様性 -


識る -タンチョウ-

【学名】Grus japonensis
【英名】Japanese crane
【分布】ロシア南東部、中国北東部、モンゴル、韓国、北朝鮮、北海道東部
【IUCNレッドリスト】絶滅危惧IB類(EN)

 

世界のタンチョウ

タンチョウは、全長は1m40cm、つばさを拡げると2m40cmもある大型の野鳥です。日本のほか、ロシア、中国、モンゴルなどにも分布しています。タンチョウは本来渡り鳥ですが、日本のタンチョウは留鳥性と言って、一年中ほぼ同じ場所で生活します。一方、大陸のタンチョウは繁殖地と越冬地の間を1,000km以上も渡ります。

日本だけでなく、ロシアや中国でも絶滅が危惧されるタンチョウ。生息数減少の背景には、開発による湿原の減少があります。また、ダムの建設が、繁殖地の水量を減らしたことなども影響しているようです。

 

日本のタンチョウ

日本では、江戸時代までは北海道各地と、冬には関東地方でも見られたそうですが、明治時代の乱獲、また、やはり生息地である湿原の開発により、一度は絶滅したと思われるほど減少してしまいました。

大正時代末期に北海道東部の釧路湿原で10数羽が発見された後、1952年には特別天然記念物に指定され、保護施策が講じられるようになりました。生息する湿原の保全や調査、給餌活動などの保護活動により、現在では1000羽を超えるまで回復しています。

しかし、分布の地域は依然として北海道東部に限られます。その場所でも湿原は減少する一方です。また、周辺の森林の伐採により湧水が減り、冬になると川が凍ってしまうようになりました。川が凍ると餌をとることができないため、冬は人からの給餌に依存し生き延びている状況です。また、車や列車、電線への衝突事故も起きています。

国の特別天然記念物であり、以前には千円札の裏側にも描かれていたほど美しさも魅力のタンチョウ。開発により絶滅の危機にありますが、人の手による地道な保護活動がその生息数を確実に増やしています。

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今後は、継続的な調査、冬に餌をとるための自然採食地の確保などの活動、そして多くのひとが現状を「識る」ことも重要になってきます。北海道には、日本野鳥の会の設立したネイチャーセンター(鶴居村)もあり、10月から3月まで開館しています。
1月10日現在で、約320羽の飛来が確認され、華麗な求愛ダンスが繰り広げられているそうです。
冬の北海道を訪ねる機会には、ぜひ立ち寄ってみたい場所です。

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JALが主催するタンチョウフォトコンテストも開催されています(応募期間は2月15日~3月15日)。これには、mudef理事のMISIAが特別審査員として参加します。
タンチョウの美しさを再認識する良いきっかけになりそうですね!

☆写真提供: NPO法人 美しい村・鶴居村観光協会

 

2014年1月15日

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