SATOYAMA BASKET - MISIA × 生物多様性 -


識る -コアラ-

コアラ

【学名】Phascolarctos Cinereus
【英名】Koala
【分布】オーストラリア東部の森林地帯やユーカリ林
【IUCNレットリスト】絶滅危惧類LC

オーストラリアを訪れた時にはじめて触ったコアラ。とても大人しくて癒し系のコアラ。ユーカリをゆっくりと食べる姿はとてもか可愛らしくて印象的でした。オーストラリアにしか生息しないコアラが今、絶滅の危機にあります。

生態

有袋類カンガルー目コアラ科コアラ属の唯一の種。

メスは育児嚢(いくじのう:赤ちゃんを育てるための袋)を持つことから有袋類カンガルー目に分類されます。

単独性で樹の上で生活をします。

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体長65cm~82cm、体重4kg~15kg。寒い地域ほど体は大きく、体毛も長くなります。
生息地は熱帯雨林、温帯のユーカリ林、疎林(木がまばらに生えている林)などです。特に川沿いや海岸地帯に近い場所に生息しています。

主にユーカリの葉を一日に500gから1kg食べます。しかし、ユーカリの葉は害虫に食べられることを防ぐために、タンニンや油分などの毒素を多く含む種類が多くあるそうです。
コアラが食べるのは、600種類ほどあるユーカリの中でもタンニンや油分の少ない40種類ほどと言われています。川沿いや海岸地帯に近い場所に生息するのは、そうした地域ではタンニンや油分の少ないユーカリが多く存在するからなのですね。
ユーカリの葉は栄養価に欠けるため、エネルギーを貯蓄するためにコアラは1日に18~20時間の睡眠を取ります。

 

二度目の危機

個体数減少の危機は、今回で二度目になります。

19世紀半ばに移民してきたイギリス人、ゴールドラッシュのアメリカに渡るも金鉱探しに失敗したオーストラリア人、厳しい労働を強いられる開拓農業に従事できない人々が、生き残りをかけてコアラを毛皮目的で殺すようになったのが一度目の危機。
毛皮のほとんどは、イギリス、アメリカへ輸出され、安価で取引されました。主に馬車用の敷物、帽子などに使われたそうです。
こうして毛皮のために乱獲され、コアラは激減。1898年にはビクトリア州で保護獣扱いとなるものの乱獲は続き、1908年、シドニーでの毛皮取引量は5万8000枚にもなったとのこと。
そして、1920年代には100万頭が減少したそうです。その後保護運動の気運が高まり、現在では毛皮の乱獲は無くなりました。

しかしコアラは今、新たな問題に直面しています。 都市開発による森林伐採や干ばつにより、コアラの生息域が脅かされているのです。こうした問題はコアラの生息地や食料であるユーカリを奪うだけでなく、コアラの個体数減少に更なる拍車をかけたのです。その原因には感染症が挙げられています。
今現在、大半のコアラがクラミジアに感染していると言われています。詳しい原因はわかってはいないそうですが、ストレスが原因とも考えられています。森林伐採などによって奥地に追いやられたコアラたちは強いストレスを抱え生きているのです。
クラミジアによって命を落とすコアラは年々増加し、最近ではコアラエイズ(KIDS)に感染したコアラも発見され、この病気がコアラの死因の50%を占めるとも言われています。

1788年には1000万匹以上生息していたコアラは、2度の危機を経て、現在推定4万3515匹まで減少しているそうです。

 

これから

現在はワクチンの開発やワクチン接種による保護活動が行われています。
しかしコアラは、時代と共に私たち人間の豊かな生活と引き換えに犠牲となってきたのです。一度ではなく二度も。
私たちが豊かな生活する影で、コアラのように犠牲になっていく動物が居ることを忘れてはいけないと思います。
 

 

文責:大妻女子大学 4年 栗原亜実

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