【学名】Rhinopithecus hoxellana
【英名】GoldenSnub-nosed Monkey
【分布】中国西部、チベット 標高3000m以上の高地
【環境省レッドデータブック】絶滅危惧II類
(VU)

 

前回に紹介したエゾオコジョに続き、今回も主に毛皮目的として乱獲され、絶滅危惧となった動物、ゴールデンモンキー(別名キンシコウ)を紹介していきたいと思います。

 

ゴールデンモンキーって?

西遊記に登場する孫悟空のモデルとなった、という一説もあるため、聞いたことのある人もいるかもしれません。

体長66㎝~76㎝、尾長56㎝のサル目(霊長目)オナガザル科に属するゴールデンモンキー。1頭のオスに対して、数頭のメスからなる群れで生活します。

子を持たないメスが他のメスの子の子守をしたりするほど群れの結束の強いそう。その間、そのメスは子育てを学び、子を預けているメスは産後で弱った体を休めたりします。支え合いながら子育てをする姿は人間のようですね。

主にゴールデンモンキーは雑食です。夏は果実や種子、木の葉を食べ、雪の深い冬には木の皮を食べて生活します。時には昆虫や鳥肉、蜂蜜も食べるようです。

 

なぜ毛皮が狙われたの?

寒い地域に住む彼らの毛は保温性に優れ、平均-5℃の気温から彼らを守っています。その保温性に目をつけたのが人間です。それだけでなく、昔から、限られた高山にしか居ないゴールデンモンキーは高貴なものの象徴とされてきました。位の高い者だけが服のモチーフとしたり、毛皮でできた装飾品を使用することができました。見た目からわかるように、その華やかな色も好まれてきました。

しかし、彼らが絶滅危惧種となった原因は毛皮目的の乱獲だけではありません。開発目的の森林伐採も影響を与えました。木の上で生活する彼らにとって森林伐採は彼らの生活する場や食べ物までも奪っていったのです。

絶滅危惧種に指定された今、中国は国を挙げて保護活動を行っています。中国の国家第一級保護動物にも指定されています。

動物が生きていくには他の種が犠牲になることはあります。けれど人間は、自分の地位を示す為の手段や華やかな見た目に魅力を感じ、ゴールデンモンキーの命を奪いました。本当に必要なことだったのでしょうか?

私たち人間はありのままの姿で寒さをしのぐことはできません。しかし考えることはできますし、知恵もあります。

寒さをしのぐ為なのか?人間の私利私欲の為なのか?人間には考え、数をコントロールすることはできたはずです。

 

絶滅危惧種に関わらず、日々、他の動物を食べ生きている私たちは、他の命を頂き、生きています。こうしたことに感謝し、そうした動物たちに対して少しでも何か考えることが大切なのだと思います。