【学名】Malacochersus tornieri
【英名】Crevice Tortoise(Pancake Tortoise)
【分布】アフリカ東部(ケニア・タンザニア)
【環境省レッドデータブック】絶滅危惧Ⅱ類(VU)

 

最近、友人とパンケーキが有名なお店に行こうとネットで調べていたら、「パンケーキガメ」というなんとも美味しそうな名前のカメに出会った。

 

パンケーキガメとは?

パンケーキガメはリクガメの仲間であるが、他のカメと違うところは甲羅が柔らかく平べったいところである。パンケーキガメは岩の下や割れ目などを住処とするため、それに適応した形の甲羅だと考えられている。敵を見つけるとそうした住処にすばやく逃げ込み、甲羅を膨らませ住処内で手足を突っ張ることで外敵から引き出されるのを防いだりするという。この柔らかい甲羅を膨らませる様子がパンケーキに似ていることから、この名前がついた。

パンケーキガメは、標高約1,800メートル以下の丘や低山地にあるサバンナや乾燥した藪地、低木林などに生息していて、エサはサボテンや草などを食べている。

 

絶滅危惧種になった理由

開発や放牧による生息地の破壊のほかに、珍しい甲羅の持ち主であるがゆえに人間の興味を引き、ペット用として乱獲されてしまい生息数は激減している。さらに、パンケーキガメは1回の出産で1個の卵しか産まないことがほとんどなので、次々つかまってしまえば、絶滅は免れない。

ケニアでは輸出を制限し、タンザニアでは養殖固体を輸出するなどの保護対策が進められている。

日本にも定期的に養殖固体が輸入されており、ペットとして人気がある。また、日本での繁殖にも成功しているようだ。

 

ペットとして飼うことが悪いことではない。しかしそのために乱獲してしまい、野生の種を失うことは、その地域の生態系を壊してしまうことに繋がる。それは決して、一種類の生き物だけの問題ではなく、同じ地域に生きる多くの生き物たちに関わっていく問題なのだ。