ホクリクサンショウウオ

【学名】Hynobius takedai
【英名】Hokuriku Salamander
【分布】日本の石川県、富山県の一部
【IUCNレッドリスト】絶滅危惧IB類(EN)

 

ホクリクサンショウウオの暮らし

日本の石川県と富山県の一部だけに住むホクリクサンショウウオ。1971年に、石川県羽咋市の小学校敷地内の側溝で発見されたそうです。体長は8~12センチ前後。主に流れの少ない池や沼に生息しています。

夜行性で、昼間は落ち葉や木の下に隠れています。食べ物は節足動物やミミズ。エサが少ないと共食いすることもあるそうです。

繁殖期は年1回、雪解けの始まる1月下旬から4月上旬にかけてで、湧き水や水溜り、雑木林などで繁殖し、そこからあまり移動することはないそうです。

 

hokuriku2.JPG

 

 

絶滅が危惧される理由

開発により池や沼が減り、水も汚れてしまい、ホクリクサンショウウオの数は減っています。2013年8月7日に、富山県ではホクリクサンショウウオの生息地44地点で、約30年間で7割減少したとの報告が出ています。また、石川県田鶴浜町では開発の影響で池の破壊が進み、ほぼ絶滅してしまったと言われています。
水の汚染の原因のひとつは、側溝に捨てられたゴミだとも言われています。またペット用としての乱獲や、人の手により入ってきたアメリカザリガニが幼生を食べてしまうことも生息数が減っている原因になっているという懸念もあります。

 

保護活動

石川県ではホクリクサンショウウオを天然記念物に指定し、保護を行っています。
また保護池が作られるなど、ホクリクサンショウウオの生息環境を守る活動が進められています。2007年には、新たな生息域が見つかったというニュースもありました。

しかし、今もその数は少なく、保護活動を続けていくことが大切とされています。

富山県にある富山市ファミリーパークでは、飼育もおこなっているそうです。市内の小学校での出前授業や、パーク内での見学ツアーを行い、子どもたちにもホクリクサンショウウオに親しんでもらい自然の大切さを伝える取り組みを行っているようですよ。

16日にはイベント「ホクリクサンショウウオに会いにきて!」も開催されるとか。お近くの方、足を運んでみてはいかがでしょうか。

 

今後の課題

ホクリクサンショウウオの生息する池や沼、里山にはその他にも沢山の生態系が存在します。日本で絶滅してしまったトキはこうした里山に住むドジョウや虫などを餌に生きていました。しかし、開発によって餌を失ったトキもまた数を減らしていったのです。ホクリクサンショウウオを保護することは他の動物たちの保護にも繋がります。更なる犠牲を生む前にホクリクサンショウウオの保護は今後の生態系を守る為にも大切なことなのです。

 

hokuriku1.JPG

SATOYAMA BASKETでも、石川県で森の保全活動を行っています。ホクリクサンショウの住む石川や富山の里山が、今後も守られていくことを願います。