対州馬・奏(かなで)との出会い

2011.02.15

2010年5月、MISIAは長崎県・対馬を視察。そこで、日本在来八馬種のひとつである対州馬(たいしゅうば)と出会いました。

かつては農耕や木材・農作物・日用品等の運搬に活躍し、生活に欠かせない存在だった対州馬。以前は島内で4000頭ほど飼育されていました。しかし農耕器具の普及とともに数が減り、今では30頭余りとなりました。

 

そんな中、2010年7月12日、目保呂(めぼろ)ダム馬事公園にて、対州馬の赤ちゃんが誕生しました!

親子お馬の親子.jpg

(右:奏 写真提供:篠原由美恵)

mudefでは、在来種である対州馬をより身近に感じてもらえればとの思いから、対馬市と協力し、この赤ちゃんの名前を一般公募しました。

2010年7月23日から8月15日まで募集を行い、150通を超えるご応募をいただきました。対馬の青い空や海のように大きくたくましく育ってほしいという願いをこめた「大空海(たくみ)」や、スワヒリ語で絆を意味する「キバ」など、ユニークで心のこもった名前が寄せられました。

寄せられた名前から、対馬市と飼育職員のみなさんで構成される選定委員会で最終候補を選定。そして最終的に、特別審査員であるMISIAが選び、「奏(かなで)」という名前に決定しました。

自然との共存・調和のシンボルとなり、すくすくと育ってくれるよう願いを込め、この名前が選ばれました。

その願いのとおり、奏は、対馬市のみなさん、飼育職員のみなさん、そして名前を考えて下さったみなさんの愛情を一身に受け、毎日元気に駆け回っています。


特別審査員 MISIAコメント

視察で対馬を訪れた時、日本在来種である対州馬が、今ではわずか20数頭しか生息していないと聞きました。
その時にはまだお母さんのおなかの中にいた赤ちゃんが、無事に生まれてきてくれて本当に嬉しいです。
この子をいれて、対州馬は28頭になりましたね。

「奏」という名前を聞いて思い浮かんだ言葉がハーモニーです。

今月18日から愛知県名古屋で行わる生物多様性条約締約国会議(COP10)のスローガンは、『Life in harmony,into the future』。
国際生物多様性年である2010年に誕生した赤ちゃん。

生命の共存・調和のシンボルとして、素晴らしいハーモニーを奏でて欲しい、幸せを奏でて欲しい、そんな思いで命名させて頂きました。
新たな命は、まさに未来への希望の星。
その希望を絶やさずに、全ての生き物が共存できる幸せな世界を一緒に目指していけたらと思います。


■ 参考:対州馬とは

対馬(長崎県対馬市)を中心に飼育されてきた日本在来種の馬。体高約1.2メートルの小型で温厚な性格の対州馬は、大正時代には農耕馬として、農耕や木材・農作物・日用品等の運搬に活躍し、生活に欠かせない存在でした。
しかし、農機具の普及に伴い、かつて島内で約4000頭いた対州馬も減少。現在島内には28頭の対州馬が生息しています。

■ 目保呂ダム馬事公園

対州馬の乗馬体験ができます(事前予約が必要です)。
・体験時間:10:00~16:30
・定休日:月曜日・木曜日 (祝祭日についてはお問い合わせください)
address: 長崎県対馬市上県町瀬田 目保呂ダム馬事公園
TEL: 0920-85-1113
ACCESS:
– 対馬空港から車で1時間10分
– 厳原港から車で1時間30分
– 比田勝港から車で50分